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姉様キングスの日々の行動をせきららにカミングアウトします…
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6月26日。朝から再度血液検査。
今日も心配してあやめさんと吉本からSマネージャーが来て下さった。

結果、GOTは238から371に。

飲みだして、もう一週間以上たつのに、薬は効きださなかった。
この薬は、効きだせば、もっと劇的に下がってくるので
ステロイドが切れて数値が上がり出すなんてことは考えられないそうである。

「もし、海外公演が一週間以内に帰って来られるなら、
ステロイドを打って行ってもらうことは可能ですが
二週間となると、そういう訳に行きません。
ブラジルでも、これがサンパウロみたいな大都会に行くなら話は別ですが
随分周辺の地に行かれるとしたら、その町での医療レベルが
どの程度なのか私には分かりません。
そんなところへ、この体調で、はいどうぞ行って下さい、
とはとても言えないのです。
誠に残念ですが、今回の公演は見合わせてもらいたい。」

あやめさん曰く、先生がそう言うてはるんやから、
こら諦めなしょうがないわ。
私らの方は何とかするから、療養に専念して。

このままでは、ちょっと危ないので、今日もステロイドを打ちましょう
ということで、点滴をして帰った。

帰って、ふて寝をしていたのだが、
目覚めてふっと思った。

なんぼ、先生が行くなと言っても、飛行機に乗ってしもたら
もうこっちのもんやんか!
体調悪いとはいえ、きっと公演をこなすくらいの体力はあるはずや、
行きますと約束したからには、やっぱり芸人として行くべきではないか。

あやめさんにその旨メールしたのだが、
止めた方がいい、との答え。

それでも、納得いかないので、
夜中、師匠に相談に行った。
芸人として、やっぱりここは行くべきではないだろうか?
師匠やったら、こんなときどうするのだろう、と思ったから。

師匠曰く、色んな状況があると思うが、今回の場合は行くのは止めた方がいい。
もしも、行ったことで体調を後々に引きずって、例えば、完治までに
何年もかかったとしたら、そのとき、きっと後悔することになる。

あのとき、行かなかったら、一回でも二回でも多くいい舞台が勤められた
のに、行ったが為に、いい舞台が務められなくなったら
一生、芸人を続けていくねんから、そのとき、芸人としてきっと後悔する。

後悔するかもしれない要因はなるべく作らないようにした方がいいから
やっぱり、今回は止めるべきだ。

これが、もしお前が八十才やとかいうのやったら、
行ってもいいと、言うかもしれへんけど、
まだまだ、これから先、何十年か生きるねんから、
これから先のことを見据えて、今は治療に専念すべきや。

人間にはそれぞれの人生のシナリオがあると思う。

ひょっとしたら、どうしても、と言うて行って、そこでへたばってしまう、
というシナリオもあるかもしれへん。

けど、もし、どうしても行きたかったら、
俺に意見を求めたりせえへんやろ、
お前が独断で行くやろう。
俺のところに来たこと自体、思い留まるようにというシナリオなんや。

今回、早期発見で病気が見つかって、何もかもがラッキーやってん、
これは、ここで治療して、もう少し芸人を続けなさいというシナリオなんや。

諭されて、何か不思議に爽やかに納得して、
今回は渡航を見合わせさせてもらうことにした。
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6月25日。いよいよ今日は退院の日だ。
これで27日からのブラジル公演も迷惑をかけずにすむ。

そうはいっても本当に行って大丈夫なのかと、確認のため
吉本のYマネージャーとあやめさんが先生の話を聞きに
来て下さることになった。
早朝血液検査があって、その結果を待っての退院。

9時に結果を持って先生が来てくれはるので、
8時過ぎからもう着替えて荷物もまとめて待機していた。

9時。Yマネージャー、あやめさんが来て下さって
いよいよ先生が結果を持って現れた。

結果、GOTが23日は163であったのに今日は238になっていた…。

薬が効いていると思いの他、ステロイドが切れてきたら、
案外効いていないのかもしれないという懸念がある、とのこと。

取りあえず、今日のところは退院してもらいますが、
明日もう一度、外来で、血液検査を受けてもらい、

その結果、今日より数値が下がっていたらブラジル行きを
許可しますが、もし、上がっていたときは…再考します。

何だか、もやもやしたままの退院となった。
ある学校で落語を教えてたりするのだが
その学校から電話がかかってきた。
「今日、授業やられますか?」
病院とその学校は目と鼻の先なので、外出許可をもらい授業をする
つもりだったから、先方には病気のことは何も言っていなかった。
何も言っていないのに、どうしてご存知?と聞いてみると
「生徒さんから、入院しているそうですが授業ありますか?
と問い合わせがあった」とか。

授業へ行って聞いてみると、落語会へ行って感想を書いてはる人
のブログに書いてあったのだそうだ。

別に隠している訳でもないが、ネットというのはすごいなあ
と実感した。さ細な情報でもすぐ伝わってしまう。

そうこうしているうち、よく見に来てくれる人がお見舞いに来た。

身内以外に入院している病院の場所なんて教えてないのに
どういうことか?

ネット情報、すごいというより気持ち悪くなった。

あんまり、プライベートなことは書かずにおこう。
…って、もう十分書いているのだが…。笑
6月23日。どうしても行かねばならない仕事があったので
外出届けを出して出かけた。(この頃には外出が許されていた。)
やはり喋ると声が出にくい。それでも何とかこなして帰って来たが、
もうヘトヘトで倒れ込むようにベットへ。

6月24日。血液検査の結果、GOTが1661から163に劇的に下がった。
恐るべしステロイド。
先生曰く、これはステロイドの効き目だけやないように思う。
薬も効いて、その相乗効果でこれだけ下がったのでしょう。
25日に退院してもらって、27日からのブラジルは行ってもらって大丈夫です。
と許可が降りた!
病院はうめだ花月と繁昌亭のちょうど中間くらいに位置している。
その為か、先輩後輩関係なく本当に沢山の人がお見舞いに来て下さった。
一門のある先輩曰く、
君は誰が来たか来てないかを何かに付けてそうやから、早目に来た。
て、そんなもん付けてません!まあ、来てくれた人のことはよく覚えてるけど。笑

日に10人くらい来て下さる日もあった。

その度に病状を説明していたら、本当に説明がうまくなってしまった。
ただ説明するだけでは、喋ってる方もだれるので、多少は脚色したり
コメントを入れたりしているうちに、すっかりひとネタ分の「お話」
になてしまった。

笑福亭たま君曰く「お兄さん、すっかりネタ繰れて(こなれて)ますね〜」

皆さん、帰るときには「すごく元気で安心したわ〜」とおっしゃってたのだが
実は、一人になると喋り疲れて、結構ぐったりしていたのである。

この頃には黄疸を示すピリルビン値は15になり(標準は1まで)
頭の先からつま先までもうまっ黄、黄であった。
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